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![]() 獏 櫻間中庸 2012年5月6日 TTZ形式 7ページ 20KB 図書室 ダウンロード 夭折の童謡詩人・櫻間中庸(1911-34)の獏についてのエッセイです。 彼もまた獏に魅せられた一人、夢を喰って生きる類なのでしょう。 「獏——私はたまらなくこの字が好きでありこの音が好きである。獏が初めて日本に来たのは、1903年大阪の動物園で、マレーバクだそうです。 櫻間中庸が見たのは《日本犬の持つた茶褐色の短かい毛》と記していることから、アメリカバクかベアードバクだったのでしよう。 1935年には太宰治が「ダス・ゲマイネ」の中で、上野動物園があらたにバクの夫婦を購入したと触れています。小説の中では、動物園には行きながらバクは見ず仕舞い。 山之口貘が上野動物園のバクと対面したのは1957年。写真ではアメリカバクと思われます。 ![]() 写真集 羅漢合掌 泉井小太郎 2012年4月20日 PDF版 PDF形式 38ページ 5.6MB 図書室 ダウンロード 東日本大震災一週間後に訪ねた羅漢寺。その日は合掌する羅漢の、それぞれの合わせた手が胸を打ってきました。一人一人合掌が違います。何が祈られているのか、願われているのか分かりません。ただひたすらな合掌が、遙かに時を超え、風化に耐えて、今日の祈願に続いてきています。謎に満ちたこの石仏たちも、いずれ何かの災害・戦火・弾圧の犠牲者たちなのでしょう。阪神大震災も経験したかれらの合掌は、その日東日本の被災地に向けられていると感じました。そこで当日撮影した二十枚の写真をウェブアルバムとしてインターネットで公開しました。 この写真集は、その後に撮影した分を追加して、新たに編集したものです。iBooks Authorで製作、PDFに書き出しています。 写真集「羅漢合掌」は、詩集「春とピアノ」+「春と石仏」に収録販売(500円)の予定ですが、単体ではフリー・ウェアとします。 この本に限っては、個人非営利であれば、ご自由に配布なさって構いません。 ![]() 小詩集 春と石仏 詩:泉井小太郎 2012年3月8日 HTML版 HTML形式 72ページ 4.9MB 図書室 立ち読み 「春とピアノ」を綴っているうちに、同じフレーズから枝分かれした、もう一つの詩集です。東日本大震災が起こってから一週間後、播磨では珍しく春の雪の降る朝、北条石仏を訪ねてみました。この日目に飛び込んでくる合掌羅漢を撮り、帰ってからそれをアルバムにしてウェブにアップ。夕方に生まれた詩の一節から、思いがけず石仏詩篇がスタートしていきました。 北条石仏は、わたしの描く「ふうらかん」のルーツであり、彼らのスピリッツを風の中に放して、自由に旅してもらったのが、ふうらかんの世界であると言えるかもしれません。長く異郷にあって「ふうら」と共にいましたが、ここ数年は故郷で石仏たちともよく逢っています。それでも、彼らについて書くことは稀でした。訪れる度に写真は撮っていましたが、詩となると数編のみ。それが何か自然な形で、思わぬ一編に仕上がったのを嬉しく思います。 39の短章と、26枚の写真で構成されています。 この詩集は、姉妹版の「春とピアノ」、東日本大震災に関連して発表した写真集「羅漢合掌」と併せて販売(500円)の予定です。 ![]() 小詩集 春とピアノ 泉井小太郎 2011年12月31日 HTML版 HTML形式 28ページ 592KB 図書室 立ち読み パップの清楚な一輪の花、Europe's First Lady Of Jazzと謳われながら、渡米後ブルーノートに三枚のアルバムを残して忽然とシーンから消えたユタ・ヒップ。 パーカーのダイアル初吹き込み時のピアニストで、パップ期に大いに活躍したものの、精神を病み、一度カムバック演奏をしたきり、長く消息不明だったドド・マーマローサ。 溢れる才気と天賦の歌心、多大な予感をさせながら、楽旅中のホテルの一室で腕に注射針を突き立てたまま、あっけなく逝ってしまったディック・ツワージク。 それぞれに不遇な三人のマイナー・ピアニスト。あんまりと言えばあんまりな生涯に共感を寄せながら、彼らと自らの復興を願った詩的記録です。八年ぶりの詩作でしたが、途中で東日本大震災が起きました。詩の磁場も揺れ、波を被りました。 これは弱者の奏でるピアニッシモの本、魂の最弱音に耳を澄まします。 同じくこれら繊細なピアニストの音に魅せられた、音座マリカの素描が本編に彩りを添えています。巻末には簡単なディスコグラフィー。2011年3月31日完成のT-Time版では未入手だったアルバムも、HTML版では追加紹介しています。 この詩集は、姉妹版の「春と石仏」、東日本大震災に関連して発表した写真集「羅漢合掌」と併せて販売(500円)の予定です。(立ち読みは無料です) ![]() 絵草紙 星の踊り子 音座マリカ・泉井小太郎 2012年1月30日 iBooks版 iBooks形式 9ページ 1.3MB 図書室 ダウンロード (iPad専用) 夜空の星を眺めることや、大地で野焼きすることに夢中になっていた頃の、音座の陶像作品。能登や高岡での野焼きから五人の踊り子が生まれてきました。 「星の踊り子」は、 音座マリカ製作の野焼き像です。 レッド・ピープルに続くシリーズで、 プエブロ族の女性陶芸家たちの言う、 「マザー・ネイチャーの、マザー・クレイ」 土と、火と、心の、 スピリチュアルなセッション・ワークです。 —「はじめに」 2001年にT-Time版が完成していましたが未発表、今回はずっと以前のポストカード・セット以来の公開です。ただし泉井の文章はありませんでした。踊り子も一人増えています。 これは20日に発表されたAppleのiBooks Authorで製作した第一冊、記念の公開です。 ※ 当方、iPadがありませんのでテスト公開のような形です。ご了承下さい。 不具合などありましたら、お知らせくだされば幸いです。m(_ _)m
AppleからiBooks Authorという電子書籍作成ツールが発表されました。さっそくダウンロードして幾つか本を試してみました。テキストをペースト、画像をドロップするだけでテンプレートに乗っかった本は簡単に出来上がっていきます。 昔々のグリーンやエキスパンドブックといったソフトを思い出して、電子本黎明期の幼かった情熱などがふっと蘇ってきたりします。そう言えばこんなソフトがながらく身の周りから消えて、電子書籍はだんだん難しいものに、手の届かない距離のものになりつつありました。1998年から続けてきたT-Timeによる本は、とうとうOS X Lionで読めなくなりました。さて、どうしょう、途方に暮れているわけにもいかないし、とePub3の縦書きにチャレンジして辛酸を舐めているところに、かってのハイパー・カードのような魔法のツール。しかも無料です。 横書きだとか、テンプレートの制約がきついとか、iBooks Storeでの販路が開けていないとか、iPadでしか読めないとか、いろいろ問題点もありますが、当文庫にとっては砂漠のオアシスのようなソフト。ごくごく喉をうるおすように、これで本を作っていきたいと思います。でもiPadがないんですよねぇ。春まで待てばiPad3の噂も出ているし、何かいいことあるでしょうかねぇ。 ![]() 詩草紙 スワニー河 泉井小太郎 2000年1月30日初版 2010年1月23日四版 TTZ形式 12ページ 92KB 図書室 ダウンロード 「不意に、部屋はスワニーの河音で満たされた。あてどない水の旅、マットレス一枚、難破に近い漂流であった。深夜にもかかわらず、はるか青空にジプシーの洗濯物が眩しくはためいた。」(あとがき) ジャンゴ・ラインハルトはマイ・フェイバリット・ミュージシャン。名曲「マイナー・スイング」はわが人生のテーマ音楽でもあります。孤島にアルバム一枚となれば迷わずジャンゴ、書物となれば蕪村俳句集。ともに放浪の人、事物と世界を愛したポジティヴな感性。 この詩は、1979年春浅い夜「Django1934」をかけていて、B面三曲目の「スワニー・リバー」で不意に聞こえた水音から始まりました。32年も前の作品ですが、そのまま今に繋がって、 「行方はあるか、希望はあるか。がらんと空があるからいい。ジプシーのスイングがあるからいい。(危うい、危うい…)」(あとがき) ![]() 夢の叢書 火星の芝居 石川啄木 2000年6月15日初版 2009年4月30日三版 TTZ形式 9ページ 16KB 図書室 ダウンロード 夢の叢書です。荒唐無稽もまた夢の長所でしょうか。散文詩とあります。 <其俳優というのが又素敵だ。火星の人間は、一体僕らより足が小くて胸が高くて、最も頭の大きい奴が第一流の俳優になる。> 線画の啄木がひょっこり出てきて、忘れていた啄木の夢をひょっこり思い出しました。<法螺じゃない。……少なくとも夢の中の事実だ>という火星劇場。青い青い花道をまずは行ってみましょう。 ![]() 机周りの整理で、古いメモが出てきました。 一枚は、石川啄木を描いたらしいカット。線の特徴から判断すると、プラチナの小筆ペン。そう言えば昔々に使っていました。 もう一片には、 夢想判官、源ノ豹助 山城国土岐村 「光る螢のみが夜飛ぶ虫ではない」 黒いボールペンで、油が黄色く滲み、影文字のようになっていました。紙片から察するに二十五年ほど前のメモ。もの保ちもメモ保ちもいい方ですが、何のことやらというのでは話になりません。Googleで検索してみました。 一発で出るだろう、江戸か明治の草紙ものと推定していたのに、夢想判官では出てきません。源ノ豹助をプラスしても駄目。まさかね、と思いつつ山城国土岐村を付け加えてみたところ、一件だけ掬い上げました。 織田作之助「十五夜物語」という短編の主人公でした。戦国時代を舞台に、ドン・キホーテをもじった気儘で軽妙な読み物。メモしておきながら、再読しても記憶が蘇らなかったのが(作者読者共に)情けないところ。いや、織田作には罪はないでしょう、そんなことは重々承知の上で書いた確信犯的短期連載上方新聞小説で、夢想と言えば、とリチャード・ブローティガンの「バビロンを夢見て」のC.カードを思い出させてくれました。ああ、なるほど、と夢想癖のあるメモの執り手はここで納得、インターネットのお陰でメモを捨てることが出来ました。
電子本元年も過ぎて二年目。1996年から電子本を製作しているつもりの当方は絶滅種の電子本原人になるのでしょうか。iPhone対応のファイルを作ってみたり、epub仕様を考えてみたりしましたが、詩画を主とする当文庫にはメリットも少なく、すんなり移行も出来ません。アマゾンやアップル・ストアで本を扱って貰うのは魅力的ですが、小冊子を沢山作りたい側としては、条件の書籍コード取得がネックになって来ます。せっかくのコンピュータにインターネット、大手や業界の動向に流されず、小川は小川でチョロチョロと流れ、小舟は小舟でギコギコと漕いでゆけばいいだろうと、現状のT-Time中心の本作りを続けることにしました。もちろん、iPhone、iPad対応ファイルも試みていきますし、紙の本も折々に作っていきたいと考えています。
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