詩画倶楽部

ポエジー漂う小冊子。六角文庫の電子本、紙の本。ブログ・ライヴラリーです。
by vooker
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星からの電話—室生犀星

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 プレセペ叢書
 星からの電話
 室生犀星
 2013年2月14日
 TTZ形式
 6ページ 32KB
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 電話と言えば映画「ET」を思い出しますが、犀星は星からの電話です。
 関東大震災の後、郷里金沢に一家で疎開していた時の詩で、『故郷図絵集』に収められています。雪国の寂々とした風景を淡い心象で綴る作品が多い中で、この詩は異彩を放っています。柘榴が美しく描かれていて、ケフェウス座のガーネット・スターをつい思い出します。あちらは変光星、こちらはどうも星団風ですが……。
 犀星には他にも、星がじりじりと寄っては弾き飛ばされた方が落ちるだとか、静まりきった夜にききなれない声でお喋りを続けるだとかの詩句があります。『星より来れる者』という詩集も出しています。
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by vooker | 2014-03-02 21:25 | *プレセペ叢書

白秋天文詩歌抄—北原白秋

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 プレセペ叢書
 六角文庫編
 白秋天文詩歌抄
 北原白秋
 2009年10月12日
 TTZ形式
 34ページ 24KB
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 プレセペ叢書の八冊目、ようやく白秋の編集が完了しました。天文詩抄と天文歌抄から成っています。16編の詩と19首の短歌。

 葛飾紫煙草舎で雀と哀歓を共にした白秋は、小田原木菟の家では星にずいぶん親しんだようです。毎晩屋根裏に上って星を研究し、バルコンや寝室から夜空の美しさを仰いだ、と書き残しています。この頃の作品をまとめた『水墨集』には幾つか星の登場する詩篇があります。『邪宗門』『思い出』時代なら西洋星座や恒星の名前がきらきらと綴られ、伝説も華やかに語られたかも知れませんが、ここでの白秋の研究とは、星の知識よりも観望・観相を深めるようなものだったのでしょうか。ちょうど火星が世紀の大接近をしている時(1924年)でもありました。
 ウィンネッケ彗星を観たのが1927年、(小熊秀雄も長詩『数十万年目に相逢ふ月と星とに就いて』に描いた)三日月による金星土星の連続掩蔽を記録したのが1933年。
 はるか昔の天文イベントを詩歌で追体験出来るのはうれしいことです。
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by vooker | 2009-10-12 06:33 | *プレセペ叢書

星—岡本かの子

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 プレセペ叢書
 
 岡本かの子
 2009年9月30日
 TTZ形式
 12ページ 24KB
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 印度洋上で南十字星を眺め、エジプトのピラミッドの頂点に天狼星(シリウス)を認めた岡本かの子の星空体験は、なかなか羨ましいものです。
 アフリカの夜空の星々を結んで勝手な空想図を描くのが楽しかった、と『大菩薩峠』の清澄の茂太郎のようなことも語っています。茂太郎が人形座・蒲団座・拍子木座を作ったのに対して、かの子は東京の留守宅の半面図とか、エジプトまでの旅程図だとか。
 奔放でやんちゃな、童子と婦人。ともに星と語るのが大好きで、茂太郎が船のマストによく登ったように、かの子は秋の晴れた夜、よく家の屋上に昇ったそうです。そんなかの子の、星を巡ってのエッセイです。
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by vooker | 2009-09-30 22:28 | *プレセペ叢書

星—芥川龍之介

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 プレセペ叢書
 
 芥川龍之介
 2009年7月31日初版
 TTZ形式
 6ページ 32KB
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 「星」は『侏儒の言葉』の冒頭を飾る一章です。
 ヘラクレス星群に思いを馳せ、宇宙の永久ならざるを語り、星に共感する芥川龍之介。
 ヘラクレス星群はM13という名でも親しまれる、北天随一の球状星団。当時36000光年、現在は22000光年の距離とされています。1000万個以上の星が直径100光年の範囲に密集しています。肉眼では光の点(6等位)に、双眼鏡で丸い小さな膨らみ、望遠鏡では広がりのある光芒から、星々に分離した壮麗な風景まで楽しめます。龍之介や、文中で和歌を賞賛された子規などは、この天体の壮観を眺めたことがあるのでしょうか?
 最後は、<しかし星も我我のように流転を閲(けみ)すると云うことは——兎に角退屈でないことはあるまい。>といかにも芥川流の締めくくりです。
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by vooker | 2009-07-31 18:08 | *プレセペ叢書

三人づれ—萩原朔太郎

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 プレセペ叢書
 三人づれ
 萩原朔太郎
 2009年7月22日初版
 TTZ形式
 6ページ 32KB
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 7月22日、日本で46年振りという皆既日食がありました。当地播磨では午前11時頃最大84%の食分で、曇り空ながらも、見事な三日月形太陽を眺めることが出来ました。

   日蝕の大露ふみて草刈女       飯田蛇笏
   日蝕はじまる 女の髪の濡れしまま  富沢赤黄男
 日蝕には女性が似合うのでしょうか。そう言えば古代の日蝕事件の主役もアマテラスとアメノウズメでしたね。これに対して、萩原朔太郎は男の三人連れです。
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by vooker | 2009-07-23 05:20 | *プレセペ叢書

新星—寺田寅彦

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 プレセペ叢書
 新星
 寺田寅彦
 2009年4月30日初版
 TTZ形式
 13ページ 32KB
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 プレセペ叢書第四弾は、寺田寅彦の天文随筆です。
 自宅中庭での夏の宵の一家団欒。子供が南空に見つけた大きく輝く火星。遊星の軌跡、琴座のβ星の変光、流星、新星などの話を聞かせる夜々。
 その夏、1920年8月21日に白鳥座に新星が現れます。新聞でニュースを知った夕には博士も子供と一緒に確認、デネブと争う輝きと書き留められています。ちなみに晩年天体観望に熱心だった内村鑑三がこの新星を独立発見、天文台への報告を怠って栄誉を逃したことを非常に残念がったということです。
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by vooker | 2009-04-30 22:17 | *プレセペ叢書

東岩手火山—宮沢賢治

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 プレセペ叢書
 東岩手火山
 宮沢賢治
 2009年3月30日初版
 TTZ形式
 19ページ 24KB
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 プレセペ叢書第3弾は、宮沢賢治が案内役の岩手山山頂の夜空です。
 1922年9月18日午前3時40分。月齢25。
  <それから向ふに
   縦に三つならんだ星が見えませう
   下には斜めに房が下つたやうになり
   右と左とには
   赤と青と大きな星がありませう
   あれはオリオンです オライオンです>
 宮沢先生に連れられた花巻農学校の生徒たちと一緒に、しばらく未明の岩手山の頂に佇んでみましょう。
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by vooker | 2009-03-31 22:50 | *プレセペ叢書

数十万年目に相逢ふ月と星とに就いて—小熊秀雄

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 プレセペ叢書
 数十万年目に相逢ふ月と星とに就いて
 小熊秀雄
 2009年2月10日初版
 TTZ形式
 11ページ 12KB
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 昭和8年(1933)12月20日に珍しい天文現象が起こりました。金星と土星が相次いで月齢3の月に隠れるというものです。4時頃に金星が三日月の暗部に潜入してから、7時過ぎに土星が明部から出現するまでの、3時間のビッグ・イベントでした。
 一週間前に友人を失って鬱々と歩いていた小熊秀雄は、偶々この出来事に遭遇します。十字路で人々が見上げている空を仰ぐと、
 <そこに不思議なものを見た、
  空には何があったか、
  ——それは親密な奴等のしやれた立話であつた。>
 星の邂逅、人の邂逅に思いを巡らせながら、詩は100行に及びます。

 プレセペ叢書の第2弾です。
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by vooker | 2009-02-10 23:48 | *プレセペ叢書

星—山村暮鳥

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 プレセペ叢書
 
 山村暮鳥
 2009年1月28日初版
 TTZ形式
 11ページ 40KB
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 プレセペ叢書の第一弾です。
 詩集『梢の巣にて』収録の、ある夏の星夜を謳った長詩123行。
 その頃貧困と病苦に喘いでいた暮鳥、子供を寝かしつけて出て来た妻ふじ。茨城磯浜の星空。
 <まあ見な/永遠の寂しさだ>
 <星は一つ一つ/千万無数/まるで黄金の穀粒でもふりまいたようだ>
 流れ星も一つ飛びます。
 そう言えば暮鳥の最初のペンネームは木暮流星というのでした。
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by vooker | 2009-01-30 19:14 | *プレセペ叢書

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