詩画倶楽部

ポエジー漂う小冊子。六角文庫の電子本、紙の本。ブログ・ライヴラリーです。
by vooker
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りんご上人—泉井小太郎

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 りんご上人
 泉井小太郎
 1997年12月20日 ebk版
 2014年01月20日
 ePub形式
 50ページ 753KB
 300円
 Kindle Store
 iBooks Store
 Kobo Store




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 りんご上人
 泉井小太郎
 1997年12月20日 ebk版
 2009年12月20日 ttz版
 TTZ形式
 40ページ 180KB




 ある日、やってきた一顆のりんご。青森から送られて来たりっぱな象鼻果。見様によっては鳥にも人にも思えて、楽しく騒いでいるうちに、柄が取れてしまいました。するとそこに、眠りこけた僧が一人……。
 瞑想修行の果てに、僧になったりんごか、りんごになった僧か、ともあれ食べにくくなって飾っておいたら、そのまま翌年の梅雨まで寝候。
 かくして八ヶ月、二百五十日足らずのりんご上人との暮らし。厳しい生活の中で浮沈する思いも、りんご上人の寝姿に慰められ、助けられ、自ずと教えられたこともたくさんあります。

 そんな懐かしいりんごを偲んで、十年後に物語ともエッセイともつかぬものを綴ったのが、この「りんご上人」です。和綴じ本にする予定が果たせず、エキスパンドブック版にして、開設したばかりのオンライン図書室にアップ。その後、ttz版にリニューアル。
                     (2013.1.30)




 ttzに改版する前には、iBooks Authorで横書き、図版や陶像などの続編も併せた「定本りんご上人」を試作していました。が、やはり縦書きでないと、というので相性の悪いリフロー型ttzにチャレンジ。なんとか形になった頃には、ttz時代は終わり、りんご上人はまたしても長い夢籠もりに……。

 書いた本人としては敬愛している人であり、絵に陶像に詩に俳句にと、なにかと偲んできたので、陽の当たる所で夢三昧してもらいたいと思います。まさか暗い所でないと夢籠もりにならぬというのなら困りますが、どこでも眠れるから好きにせよ、そうおっしゃるだろうと ePubにしてみました。
 
 1984年の出会いだから、もう30年です。
 十年して「りんご上人」を書いたから、20年経ちました。
                     (2014.1.20) 




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by vooker | 2015-01-21 13:18 | *図書室オリジナル | Comments(0)

虹 男と女の……物語

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 虹 男と女の……物語
 泉井小太郎・音座マリカ
 2013年 7月20日
 ePub形式
 200円
 iBook Store
 Kindle Store
 Kobo Store





 《Over The Rainbow》《Alone Together》《Smoke Gets In Your Eyes》《I'm Getting Sentimental Over You》《Just A Gigolo》などのジャズのスタンダードと、音座創作のジャズ絵、ジャズ・ミュージシャン陶像をベースに書き上げた小詩集です。他にモンクの《Crepuscule With Nellie》と、タンゴの《Milonga Del Angel》。
 2003年にT-Timeで編集完了までいってプレスに至らず、十年目にしてようやく発表です。
 ちなみに表紙の虹は2012年8月5日の夕、播州北条の空に立ったもの。見事な虹でした。

     (2013.7.30)


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by vooker | 2015-01-08 23:40 | *詩草紙 | Comments(0)

笑う森—泉井小太郎

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 笑う森
 泉井小太郎
 2013年3月20日初版
 300円

  Kindle Store
  iBookstore
  Kobo Store


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 笑う森
 泉井小太郎
 2009年2月4日初版
 TTZ形式
 74ページ 248KB

 



 富士写ヶ岳という美しい山があります。石川県加賀市山中町、標高942m。シャクナゲの群落で知られています。この山にブナの森が広がり、ほがらかな一本のブナの木が立っています。
 静かな森に、ときおり転がるヴィブラフォンのような響き。楽しげにひとりごちたり、笑い弾んだり、ちょっといわくありの木と、その周りの木々との春夏秋冬。そして、冬のある日のブナたちの祭。
 実在の森、実在の一本のブナの木から立ち昇ったイマジネーションです。

 エキスパンドブックでしたが、今回TTZ版に仕立て直しました。

   ※

 三度目のリニューアルは、EPUB形式です。
                (2013.7.1)
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by vooker | 2015-01-05 18:35 | *童話 | Comments(0)

サックスマン—泉井小太郎・音座マリカ

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 サックスマン
 泉井小太郎・音座マリカ
 1994年 4月30日 私家版
 2013年 5月25日 EPUB版
 300円
 967KB
 Kindle Store
 Kobo Store




  ぽとぽとぽと、と
  きのうから来て、あしたへゆくような、
  あしたから来て、きのうへゆくような、
 そんな姿と音楽のサックスマン。町から町へ、村から村へ、サックスを吹き、花を咲かせながら旅をする吟遊詩人。

 1994年3月に執筆、すぐに四つ目綴じの和装本に仕立て、展覧会で販売、のべ100冊くらい製作しました。
 1999年5月にフロッピー版を発表、エキスパンドブック横丁などに出品していました。六角文庫電子本の古典です。
 今回の復刻では、ePubの制約上、前期二書とレイアウトが若干異なります。挿絵はそれぞれ単独ページになりました。19枚のモノクローム画があります。

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 1994年の和綴じ本と、1999年のフロッピー版です。
 以下は旧記事の再録。


◆憧れの吟遊詩人

 小さい頃から、サーカスの旅芸人や虚無僧や托鉢僧などに妙な憧れを感じていました。播州の片田舎まで回ってくる富山の薬売りの青年などにも。いつも聴かせてくれるヨーデルが、また子供を不思議な世界に連れ込んでしまうのでした。
 サックスマンは、そんな憧れが書かせたものかも知れません。詩を書いたり、詠んだりしていましたが、もし楽器がまあまあ弾けたら、吟遊などと称して飛び出しかねませんでした。
 狂の者が好きです。風狂。素っ頓狂。
 サックスマンは、音座が作って乾かしていた粘土像の背中を毎日目にしていて、ある日突然イメージが歩き出したものです。ぽとぽとぽと、と何処へともなく。

◆作品おもてうら話

 この作品で、生まれて初めての口述筆記を体験しました。別に病に臥せっていたわけではありません。徹夜で前半を執筆、頭はまだ何か飛び跳ねていながら、からだがもう限界でぐらぐらしていました。ちょうどある区切りを迎えて、あとはどうすればいいのか、というところで一旦眠ることにしました。
 三月に入ったばかりでまだ寒く、ホーム炬燵の上にワープロを置いたまま、起きては書き、書いては眠りしていたので、夢の中でもイメージが飛び交います。しばらくして夢を見ました。ある人物が登場して、それが印象的なので名前だけでも覚えておきたいと、あたりにいるかもしれない妻を呼びました。いると言うので、その名を書き留めて貰い、また眠りに就こうとすると、作品の後半部がするすると開きました。起き上がる力はないので、口述筆記を頼み、続くところまで喋って眠ろうとすると、またその先が生まれてきて喋り…、そんなことをしているうちに、とうとう最後まで辿り着いてしまいました。その間、からだを動かせる力はまったくなく、眼もつむったまま。
 わたしの創作はほとんど即興に近く、予め構成をすることもないので、夢にその人物が現れなかったら、『サックスマン』はどのような展開になったか想像もつきません。その後、口述筆記も、夢の断片を書き留めてもらうこともなく今日に至っています。

■もう一人の作者

 どこにもそんな記述はないのですが、語り部として、名もない旅行作家を想定しています。旅する先々でサックスマンを見かける貧しいライター。
 観光地から外れた自然と人々の暮らしを巡り、売れない原稿を書き続けてきた彼は、やがてサックスマンの旅のあとを追い……と、こちらでもストーリーが発展。幼い頃からサックスマンの話を聞いて育った彼の三人のこどもたちの物語も発生して、これらはすべて文庫内の空想劇場で楽しみましたが、作品には至りませんでした。
                                (2013.7.6)


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by vooker | 2015-01-05 18:29 | *童話 | Comments(0)

天狗と雀—泉井小太郎

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 Poetry Roman
 天狗と雀
 泉井小太郎
 2013年3月18日初版
 200円

  Kindle Store
  iBookstore
  Kobo Store



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 Poetry Roman
 天狗と雀
 泉井小太郎
 2002年9月9日初版
 2009年8月7日二版
 TTZ形式
 54ページ 132KB



 八月七日は天狗の鼻供養の日——と『妖怪草紙2000』に自ら記したので、それに因んで改版発行、図書室収録。表紙にスズメのカット(竹ペン画)を使用してリニューアル。本文にはルビも追加で多く振りました。

   天狗は虫が苦手だ。/天狗は朝も苦手だ。/だがそんなことはいい。
   これから俺も変わるのだ。/いやな自分を変えるのだ。
 山の洞で拾ってきたスズメのヒナを育てる天狗。昔は飛行も上手でしたし、鼻相もなかなかのものでしたが、いまは悶々…。せめてお前は、とヒナを一鳥前にするべく奮闘します。孤独な現代天狗の切なさ。

 日詩『雀のチュール』の姉妹編です。

     ※

 Amazon Kindle形式の電子書籍にして、Kindle Storeから発売しました。六角文庫の第1弾です。

     ※

 Apple iBookstoreにePub3形式の電子書籍として並びました。(2013/4/30)

     ※

 楽天KoboストアにePub3形式の電子書籍として並びました。(2014/12/24)
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by vooker | 2014-12-24 21:59 | *童話 | Comments(0)

満月祭 —ciribiribinの音楽会

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 満月祭 —ciribiribinの音楽会
 音座マリカ・泉井小太郎
 1994年 5月5日 私家版
 2013年 5月5日 EPUB版
 200円

  Kindle Store
  iBookstore
  Kobo Store





 1994年の5月5日に第一冊を発行した手作り絵本の電子復刻版です。表紙は新装、シリビリビンのヘアーもカラフルになっています。
 新月第一夜から、満月十五夜まで、シリビリビンが一人ずつ増えて演奏する月夜の音楽会。シンプルな言葉と絵で綴ったスピリチュアルな絵本です。
               (2014.5.20)


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by vooker | 2014-12-22 23:45 | *絵草紙 | Comments(0)

旅人ふうら—泉井小太郎

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 旅人ふうら
 泉井小太郎
 2014年2月4日
 ePub形式
 58ページ
 10.6MB(Kindle版)
 14.3MB(iBooks版)
 300円

 Kindle Store
 iBooks Store
 Kobo Store



 ふうらかんは、風の羅漢、野の羅漢、草の羅漢です。ルーツは郷里の謎の石仏で、遠く異郷にあった時も、どこかこころの片隅に佇っていて、それがだんだんと放浪の人たちへと進化変貌してきました。
 ふうらかんの、基本は、芭蕉の唱えた風羅精神。それから宇宙の本然に立つ羅漢果。そのように、感得していますが、実際のところ分かりません。かれらの姿を、墨絵や陶像で追っていくのは、わくわくするような体験、一つの旅のようなものでしたが、これには終わりがありません。彼方へずっと、地が繋がり、空が広がっています。

 北条石仏とふうらかんは、また別の人たちです。
 北条石仏は、時空に立つ植物のようなあり方です。一方、ふうらかんは歩き回る動物のようなあり方です。ひょっとすると、石仏たちの花後(或いは夢)の絮が風に飛ばされて旅をしているのがふうらかんなのかも知れません。

 郷里を出て、帰ることはないだろうと思っていた頃に、ふうらかんの展覧会を各地で開きました。その後、「ふうら美術館」というホームページを開設しました。ここにある写真は、散歩や旅のつれづれに撮ったもので、それに短い文章を添えて「風羅春秋」として随時掲載していたのをまとめて、この一冊になりました。
 電子本になったのは北条石仏の方が先でしたが、ようやくふうらかんの本が出せて感無量です。
                         (2014.2.8)



 この本は固定レイアウトを採用しています。リフロー型ではないためにフォント・サイズの変更などは出来ませんが、ピンチアウトで拡大することは可能です。またテキストの検索、ハイライトはiBooks版では可能です。
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by vooker | 2014-03-15 18:00 | *絵草紙 | Comments(0)

縦書きページ左右中央配置・続

 『サックスマン』(のテキスト中央配置)は初版申請はすんなり通ったのですが、画像関連を改善して改訂、再登録した際にKDPの基準に触れると指摘されました。以下がそのやりとりです。

お客様の本は、横書きのモードに縦書きの記述をしているため、上部に余白がありません。また文字を最大にしたときに、文字が画面から途切れます。修正してください。(KDP)

ご指摘ありがとうございます。本のレイアウトとして、どうしてもテキストをページ中央にする必要がありました。小さなスマートフォンでもそれほど拡大しなければ大丈夫と確認していました。
この本は無料キャンペーン期間を入れて、240冊以上ダウンロードされています。Twitterでも動作確認のお願いをしていましたが、いまのところ不具合の報告はありません。

もし、この記述方式が駄目な場合、テキスト中央配置を守るために、やむなく全ページ画像にすると、出版は許可されるのでしょうか?(泉井)

リフローテキストの特性上、縦書きの文字を画面中央に表示するという表現はサポートしておりません。回避策としてこのような書き方もできますが、ご報告しましたようなKindle の基本的な品質基準を満たさなくなる動作をしますので推奨はしておりません。
リフローテキストは読者の方が様々な環境で読むことを想定しております。

また、文字ベースの本ですので、固定フォーマットにする(画像化)ことは推奨できません。(KDP)


 推奨できないという言い方ですが、実際は禁止なのでしょう。画像化も駄目とあっては、方策が見つかりません。『サックスマン』だけでなく、六角文庫にはこのような絵と文章混在の本がたくさんあります。句集のように中央に文字を配したい作品もあります。とほうに暮れて、一時配信停止も考えましたが、今年になってようやく修正に踏み切りました。普通のリフロー形式にして、中央配置を諦めました。それを登録して、改訂申請。
ご指摘を受けて方策を模索していましたが、縦書中央配置を改めて、Kindle基準でブックを作りなおしました。バージョンは2.0にメジャー・アップしました。
つきましては通知をお願いいたします。その際に、広い画面のタブレットなどのユーザーで以前のままで良い方は、そのままで構わないという一文を付け加えていただくことは出来ないでしょうか。(泉井)
 審査は四週間以内、最後の要望に関しては、
こちらのご要望につきましては、担当部門で審査をさせていただき、適切と判断された際には、追記させていただきます。(KDP)
 1月10日の申請以来、審査報告があるものだと思っていましたが、無いんですね。もう一冊同時に改訂申請して、今日My Kindleで確認、『サックスマン』はアップデート用意されていましたが、もう一冊はスルーでした。上記の追記はして貰えたのか、されなかったのかは分かりません。作者としては、以前のバージョン(Ver.1.1)が本意なので、問題なく読めている方はそのままバージョン・アップなしでいいと思います。

 さて問題のテキスト中央配置、KADOKAWA-EPUB 制作仕様 Ver1.0.1でも、Tipsはあるがなるたけ使わないように、扉は冒頭三行空けが望ましいと指示しています。いまのところはそれに従った方が無難です。

 でもここに来て、朗報があります。
 EPUB 3.0.1の仕様:
「rendition:flow, rendition:align-x-center属性が追加されました。」


 これがビューワに承認実装されてくると、縦横問わず、テキストページ中央配置が簡単に実現します。もう少しの春待ち。
 扉ページだけではなく、やはり俳句や短歌などは中央一句(一首)立てが味わい深いので、短詩型電子書籍の普及のためにも、早々に採り入れてほしいと切望します。

  EPUB標準化関連活動のアップトゥデイト

  EPUB 3.0.1Draft 仕様日本語訳
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by vooker | 2014-02-24 15:57 | ノート | Comments(0)

夢と天然—泉井小太郎

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 夢と天然
 泉井小太郎
 2014年1月1日
 mobi形式
 499KB
 300円
 Kindle Store
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 21世紀に入って最初の詩作が、正月に芽を着けた翁草について書いたもの。それをプロローグに「花鳥吟遊」「銀河逍遙」として花、鳥、星を巡った作品を集めました。特別にテーマにしたというよりも、身近なものを歌ったら自然にそうなったという按配です。そのぶん、人とは少し疎遠になっていた時期の作品集です。

  宇宙は
  膨張しているそうな
  広く
  遠く

  われらの
  方寸は
  どうであろう

  ぽつんと
  咳をする星にいて

        —「地球」

 天然という言葉は、自然と本然の両義を持つようですきな言葉です。そこに人為は入って行きにくいものですが、夢はすんなり溶け込むような気がします。気がするだけで本当のところは分かりませんけれども、夢と天然の二語あれば、わたしなんぞは何とかやっていけそうです。

 表紙は、1997年の春、金沢犀川下菊橋から眺めた、夜明けのヘールボップ彗星です。これこそ夢と天然が一つになった時間であり、風景でした。
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by vooker | 2014-01-15 04:56 | *詩集 | Comments(0)

ばくの木—泉井小太郎・音座マリカ

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 ばくの木
 泉井小太郎・音座マリカ
 1994年 3月7日 私家版
 2013年 5月31日 iBooks版
 2013年 6月30日 ePub版

 Kindle Store
 iBooks Store





 夢を食う貘(ばく)という空想の動物が好きです。縁もあります。けれど、この本は植物編。悪夢ではない人間の夢を栄養にして育ち、人間の夢見る力を養ってくれる、共生の木について書いたものです。お話ではなく、解説のような本なので横書きにしました。
 20数枚のばくの木の素描も楽しめる絵本でもあります。

 オリジナルは1994年3月。和綴じ本で一冊一冊手作り。
 電子本復刻は1999年4月。エキスパンドブックでフロッピーに収録、ダンボール特製パッケージで頒布していました。
 その後、ダウンロード頒布を模索しましたが、少額決済の難しさで断念。和綴じ本は本文半紙を通すコピー機がなくなり、エキスパンドブックも開発中止、後継のT-Timeのリフローには相性悪く、長く絶版状態でした。
 常に六角文庫の第一冊目を担ってきた『ばくの木』も、ePub版だけはテキスト・オンリーの『天狗と雀』に譲って、ようやく14年振りの復刻となりました。
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 (2013.7.20)


 ■電子ルリユールとは?

 「ばくの木」について触れてくださった昔の記事があります。ZDNetの週刊ドットブック第27回で、ボイジャー社の萩野さんが「電子ルリユールとは?」というタイトルで書いて下さいました。ご本人の許諾を得て、一部掲載させていただきます。

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 文・泉井小太郎、絵・音座マリカの『獏の木』は、私がもっている美しい本の一つです。2年前、雪降る金沢の街でお二人からこの本をいただきました。作者自らの手になるものです。こんな暖かい本を手にするなんてまず経験できないことです。手触りはお伝えできませんが、本当に暖かいんです。紙の本の温もりというようなことではありません、こんなふうにいえば多少は感じがお分かりでしょうか……衣装をまとうときの繊維の持つ膨らみがこの本にはある……と。

 限定161冊でした。もうこの紙を通すプリンタがないと泉井さんはいっていました。最後の5冊が、2年前東京国際ブックフェアで販売され、初日開場後またたくまに売切れました。現場にいた私は、そのときのことを今でも思い出します。私が手にしている『獏の木』の奥付には、1996年10月7日発行の稿本第156番とあります。つまり最後の5冊は157番からだったということですから、なんともぎりぎりの瀬戸際だったわけです。

 私が申し上げたいことは、美しい本と電子本との間にある関係性についてです。『獏の木』はこれを感じとるうえで重要な一冊だったのではないかとおもいます。六角文庫にはエキスパンドブックの電子版『獏の木』が販売されています。

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 電子版『獏の木』をぜひご覧いただきたいとおもいます。きっといくつも気づかれることがあるでしょう。私は電子本においても貫かれている精神がここにはあると感じます。それは電子本『獏の木』の美しさです。どこにおいても、どのような状況、条件においても維持されるものがあり、それこそ人間という顔を持つわれらの根本に息づいているものだとおもうのです。

                    ——萩野正昭




 ■幻の「ばくの木」

 この記事の前に萩野さんから「ばくの木」のダウンロード電子本をボイジャーが、オンデマンドの紙の本を六角文庫が、という形で理想書店で出しませんか、というありがたいお話がありました。電子本と手作り本とを提供する試みは面白い、ぜひやってみたいと思いましたが、記事にもあるように本文半紙を扱えるプリンターが見つからず、泣く泣く諦めた経緯があります。いまでも残念と惜しむ気持があります。その理想書店もついに閉店、新しい時代のBinB STOREが始まっています。
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by vooker | 2013-12-08 17:16 | *童話 | Comments(0)

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