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詩画倶楽部

ポエジー漂う小冊子。六角文庫の電子本、紙の本。ブログ・ライヴラリーです。
by vooker
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文庫草誌

 1999年〜2001年頃に図書室で連載していた「文庫草誌」をnoteに再掲しました。全文公開の投げ銭方式を試みています。本や本作りにまつわるエッセイともメモともつかない短章です。ここではタイトルだけ紹介して、ページへのリンクをはっておきます。

 スランプ
 鏡花忌
 Duckbill
 イーハトーヴ・ソングブック
 おみくじ読み
 素麺文庫
 ゴダール映画
 暮鳥の蔵書
 よちよち書き
 寒雷春雷
 ポエムレット
 二、三羽——十二、三羽
 同人誌ハレー彗星
 寒山拾得
 売書船
 プリーズ・ミスター・ポストマン
 乳母車
 ヘイ!ミスター・タンブリンマン

 「文庫草誌」
# by vooker | 2014-04-17 22:28 | ノート

ポエムレット

 詩集には詩集の魅力があります。一つのテーマで書き綴られた詩群、ゆるやかな拘束で纏められた詩群。けれど、それとはまた違って、一篇には一篇の独立した世界もあります。以前から、詩草紙と銘打って、そんな詩を単独の小冊子にしてきました。作品成立に関係する絵や写真と組み合わせて、より味わいや陰影のある世界へ。
 Poemletはその電子版として、T-Timeやエキスパンドブックで製作。詩をもっともっと生き生きとさせ、魅力あるものにするための試みです。
         (ポエムレット —ホームページより転載)
 図書室を開いてもっとも楽しかったのが、このポエムレット作りでした。詩集編纂は時間もエネルギーも相当要ります。取捨選択に迷いに迷い、作品の並びにもああだこうだ、それに比べると一編の詩は身軽で、思い立ったらすぐに取り掛かれます。新作をそのまま即興的に創作、編集、製作ということもありました。
 T-Timeはそれに呼応した軽快なツールだったので、一冊一冊と増えていきました。

 けれどこのソフトもOSの進化に取り残されて、現在はePubが主流。T-Timeはプレビューしながら臨機応変に編集できましたが、ePubは最終的な製本ファイル・セットが整うまでは出来映えは分かりません。(主にエディタで記述しています)
 またT-Timeはブックサイズを小さくして、袖珍本らしい外見を採ることも出来ました。一方、ePubは大冊も小冊子も端末ビューワに同じように表示されます。

 そんなこんなでしばらくポエムレットから遠離っていましたが、やはり六角文庫の真骨頂は小冊子だろう、と初心にかえってみることにしました。
 近代デジタルライブラリーで目にした白秋パンフレットにも勇気づけられました。表紙の裏の言葉にこうあります。
 この白秋パンフレットはわたし自身の詩歌、小品、評論、随筆等、その種類の何たるを問はず、成るに従て随時一々の小冊子として刊行するものである。たとへば一茎の甘藍若くは一顆の林檎のごとく、新鮮に、而かも最も簡易に衆人の眼に触れ手に触れ心に触れむことを希ふものである、わたくしは貧しかった。それ故にかうした値廉きこの種の刊行はかねての本願であった。
 つごう六輯編まれた白秋パンフレットには、狐の嫁入り文庫にも収めた「月光微韻」、音韻が素晴らしく愛吟するファンの多い「落葉松」など、どの一冊も瀟洒な魅力に溢れています。

 白秋同様、或いはより貧しく生計する当文庫も、紙の頃より、小冊子は本願でした。もっとも、白秋は、先の言葉の最後に、
 「而して世の富者には一方思ひきり贅を凝らした高値の珍蔵書として類別蒐集したい微笑をも許してほしく思ふ。」とも述べています。大正モダニズムの時代、天金天鵞絨表紙の全集もあった白秋、羨ましくもありますが、まあこちらの方は当文庫ではちょっと無理でしょう。そのぶん小冊子に徹して、なるたけ余韻の残るような、イマジネーションの旅が出来そうな本作りを目指したいと思います。

 とりあえずは自身でも愛着のある『吟遊』と『ピアニスト』を。
# by vooker | 2014-04-15 22:50 | ノート

ピアニスト—泉井小太郎

ピアニスト—泉井小太郎_d0142402_23391446.jpg

 ピアニスト
 泉井小太郎
 1997年12月10日 ebk版
 2014年 4月10日 epub版
 epub形式
 24ページ 2.3MB
 100円

 Kindle Store
 Apple Store




ピアニスト—泉井小太郎_d0142402_17103272.jpg
 絵草紙 
 ピアニスト
 泉井小太郎
 1997年12月10日初版
 2008年10月10日五版
 エキスパンドブック
 27ページ 240KB




 ある明け方に、バド・パウエルのピアノ(ジャズ・ジャイアント)を聴いていて、とても昂揚したことがあります。深い演奏に導かれて、イマジネーションの彼方へ遠出したような感覚です。ハイな精神状態はしばらく続き、一編の詩と、一連の素描を仕上げました。それが、「耳」という詩、「ピアニスト」という線画で、この本に収めてあります。また、この時の体験が、後に「月へ昇ったピアニスト」というメルヘンにまで飛躍しました。

 もう一人、敬愛するピアニストがいます。パウエルの先輩でもあるセロニアス・モンクです。この人からは、詩作の上でいろんなことを学びました。星に夢中になっている頃に書いた「ソロ・モンク」という作品を配して、(わが師匠に)敬意を表しました。

 他にも好きなピアニストはいっぱいいます。ジャズに限らず、この本は世界の素敵なピアニストとピアノ・ファンに捧げた一冊です。
                           

 
# by vooker | 2014-04-14 00:00 | *絵草紙

妖怪草紙 2000—泉井小太郎

妖怪草紙 2000—泉井小太郎_d0142402_205772.jpg
 妖怪草紙 2000
 泉井小太郎
 2000年6月20日初版
 2004年3月23日四版
 TTZ形式
 27ページ 48KB

 note



 天狗、河童、鬼などが、こどもの頃から好きでした。祭の夜店でセルロイドの面を買ったり、小さなフィギュアを大事にしたり、今では、天狗の文鎮のお世話になっています。獏はまた六角文庫のシンボルであったりします。
 そんな妖怪たちの、さびしく、くるしい2000年。彼らは、どこで、なにをしているのでしょうか。闇が汚れ、黄昏が薄らいでゆく21世紀に、山彦や座敷童子やのっぺらぼうの行き場はあるのでしょうか。
 短いフレーズで綴った20章のレクイエムです。
                       (2008.2.3)


 妖怪たちを新しく始まったサービス note に連れて行きました。5章分公開しています。続きは有料(100円)となっています。
# by vooker | 2014-04-09 17:50 | *図書室オリジナル

吟遊—泉井小太郎

吟遊—泉井小太郎_d0142402_13432276.jpg


 吟遊
 泉井小太郎
 2001年3月 7日 T-Time版
 2014年3月21日 ePub版
 ePub形式
 46ページ 1.6MB
 100円

 iBooks Store
 Kindle Store




吟遊—泉井小太郎_d0142402_23544563.jpg

 絵草紙
 吟遊
 泉井小太郎
 2001年3月 7日初版
 2004年3月10日三版
 TTZ形式
 28ページ 148KB




 吟遊、放浪、漂泊などは、幼い頃からの憧れの言葉。サーカスや旅芝居、虚無僧や托鉢僧には胸がどきどきしたものです。芭蕉、惟然、井月、山頭火を慕って、ブルースやジプシー・ソングにも惹かれてきました。ふうらもまた旅する群像です。
 この小冊子には、1981年に描いたペン画7葉と、2001年に書いた詩片7篇が収まっています。20年の歳月を隔てた、老若二人(?)のわたしのコラボレーション。
                    (2008.3.7)


 琵琶法師や瞽女、ベンガルのバウル、西洋のトルバドゥールなどにも親しみを覚えて、80年代、90年代に続けていた朗読や展覧会活動は、わが吟遊として行ってもいました。いまはWeb中心になって淋しい限り。でもやっぱりこんな広漠とした原野に向き合うには、旅の精神が不可欠です。
 この小冊子は、そういう旅の心象を即興的に綴ったものです。

 T-Time版は手彩色の限定本を底本としましたが、今回は原画から直接起こしました。


 
# by vooker | 2014-03-28 15:58 | *絵草紙

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